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独り暮らし女性連続失踪事件
第3章 捜索

「あらかたは副署長から聞いております。根本先生のご心配、よく分かります。きっと、脅かされているのでしょう。それも、決して逆らえないくらい酷く」
「はい、私もそうではないかと考えました」
「根本先生、こうしたら、如何でしょう。先生のご自宅に呼んで話を聞いては。学校よりもリラックスできるでしょう。私が別の部屋で聞いていますから、まずは、先生がじっくりと話を聞いて下さい」
「坂田さん、それはいい。根本、そうしろよ」
「はあ、しかし…」

もっともな話だが、根本先生は迷っていた。

   それでは、警察の事情聴取を受けることと同じだ。
   俺を信頼して相談に来る大沢を裏切ることになる…

大学柔道部の横田先輩は教師である後輩が悩むことは長年の経験から、予想していた。彼はお茶を啜って、一息入れると、
「根本、心配するな。その生徒は犯罪者ではない。その生徒はそんなことをする人間ではないとお前も思っているんだろう。それなのに警察と連携して保護させる、そんなことを教師として手引きしていいのか、当然迷うことだ。だから、俺じゃなくて坂田さんに担当してもらうんだ。この手のことにかけて、坂田さんの右に出るものはいない。決して悪いようにはしないから、任せろよ」
と坂田生活安全課長を改めて紹介した。それを受け、坂田課長は「よろしいですか?」と横田副署長の了解を得てから、
「それと、事件になってからでは遅いので、その大沢誠君を見掛けたら、保護しましょう。いや、ご心配なく、補導ではありません。私の部下たちに徹底します」
と根本先生に提案した。
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