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独り暮らし女性連続失踪事件
第4章 救出への動き

「こんばんは、佐藤です。先生いますか?」
「来ましたよ。それじゃあ、隣の部屋にいて下さい」

迎えに出ると、玄関には賢一と誠が立っていた。

「おお、来たか、上がれ。晩飯はラーメンでいいか?」
いつもの通り根本先生の「食事攻め」が始まった。

「大沢も佐藤も沢山食べろ。替え玉も用意してあるからお代わりしろよ」
だが、ラーメンを食べ終わっても根本先生は肝心の話はしない。どんな本を読んだか、テレビは何をみるのか、どんなアイドルが好きかなど、高校生に合わせ次々と話題を持ち出し、賢一を相手に楽しそうに話しをしているだけだ。

もういい加減にして欲しいと思っていると、「佐藤、あの総選挙って、誰でも投票出来るのか?」と、またまた、くだらないことを聞いてきた。
賢一は「しょうがないな。先生、何にも知らないんだな。ほら、これを見てよ」とスマホに載っている「総選挙」のことを見せたが、内心では“先生、本当に大沢の相談に乗ってくれるのかな?”と思い始めていた、その時である。

「う、ううぅぅ…」と、それまで黙って二人の話を聞いていた誠が突然呻くように泣き出し、その場に突っ伏した。

驚いた賢一が「大沢、どうしたんだよ?」と様子を覗き込むと、「ぼ、僕は普通の生活がしたい…」と絞り出すような声で答えたが、ブルブル、ブルブルと誠のポケットから震動音が聞こえると、彼は飛び起き、画面を見た瞬間、「あっ!」と言ったきり、顔色が真っ青になってしまった。
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