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独り暮らし女性連続失踪事件
第4章 救出への動き

「大沢、どうした?」
根本先生が声を掛けたが、もう耳に入らない。誠はバッグを手に取ると挨拶もせずに飛び出していった。
「待てよ、大沢!どうしたんだよ!」
賢一が後を追いかけようとしたが、「待て!」と根本先生がそれを止めた。

「佐藤、今日はそのまま行かせろ。お前が追いかけて変な奴に出くわすと、お前も危険だ。坂田さん、お願いします」
先生が呼び掛けると同時にドアが開き、坂田課長が入ってきた。
「佐藤、詳しい話しは後だ。坂田さん、あいつ、着信画面を見た瞬間、顔が酷くひきつっていました。相手は恐喝している奴でしょう」
「ええ、隣で聞いていて、それは間違いないと思います。私はこれから署に帰って、部下に見廻りを強化させます」
「私もこれから校長に相談します。とても嫌な感じがします」
「相手がどんな奴か分かりませんが、電話の呼び出しに応えているうちは、無理なことはしないと思います。気になることがあったら連絡出来るように、携帯はいつもオンにして、必ず持ち歩いて下さい」
「分かりました。よろしくお願いします」

坂田課長を見送ると、根本先生が賢一に経緯を説明してくれた。

「先生、大沢、大丈夫ですかね?」
「うん、相手が分からないので、何とも言えないが、坂田課長が言っていたように、乱暴されたり、何処かに連れて行かれることはないことを思う。先生はこれから校長先生のところに行く。佐藤、お前も悪いが一緒に来てくれ」
「はい、分かりました」

時刻は午後九時近くになってはいたが、根本先生は賢一を連れて校長先生宅に向かった。
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