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独り暮らし女性連続失踪事件
第4章 救出への動き
忌まわしい時間が始まる。
その聡子は近寄るそうそう、「どうしたの、変な顔して?」と頬を撫でてくる。誠は嫌悪感が顔に出てしまったが、それが分かると何をされるか、誠は咄嗟に「警察です」と答えた。すると、「何が警察なのよ?」と逆に聡子が気色ばんだ顔で問い質してきたが、「ははは、お手柄だったんですよ、こいつは」と珍しく哲也が庇ってくれた。
「警察が来てさ、色々と聞いてきたけど、俺といとこだって、こいつが言うと、お巡りは、『お前にこんな真面目ないとこがいたのか?』ってビックリしやがって。あの驚いた顔を聡子さんにも見せたかったな」
「へえ、そんな気が利くのね、誠。でも、職質にかかったお前は、やっぱり間抜けだね。今日はたっぷり可愛がってあげないといけないね」
「えっ、泊まりですか?」
「そう、朝まで。全部搾り取るから」
「ははは、よかったな、誠」
哲也はそう言って背中をバンバンと叩いたが、「家には何て言おうか?」。「学校はどうしようか?」、あれこれ思い浮かべると、気が重くなるどころか、顔が青くなる。だが、「行くよ」と聡子に股間を触られると、何だか、とてもムラムラしてきた。
しかし、それは性欲からだけではない。職務質問は切り抜けたが、警察に名前を聞かれてしまった。どうして、僕はこんな目に遇なければならないんだ!という、行き場のない、怒り、苛立ちからでもあった。