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独り暮らし女性連続失踪事件
第4章 救出への動き
≪何を見ていたんだ!≫
翌日、昨日のパトロール日誌を読んでいた坂田課長が、突然、「片山!これは何だ!」と大きな声をあげた。
声を荒げること等、めったにない課長の怒鳴り声に、同僚は心配して「おい、何かへまでもしたのか?」と肘で突いてきたが、生活安全課の片山主任は「いや、昨日は何もなかった筈ですが…」と首をかしげていた。
「あの、お呼びですか?」
「ここに書いた『大沢誠』って本当に安田哲也のいとこか?」
「ええ、本人がそう言ってましたから」
「お前、安田の過去の調書なんか調べたことがあるのか?」
「いや、そんなに詳しくは…」
「バカ野郎!あいつは家族どころか、親族からも見放されているんだ。そんな奴が、いとこと親しくするか?」
「は、はい…」
「それで名前は、学校は?」
「いえ、いとこと信じてしまったので…」
「何も聞いてないのか、しょうがねえな」
百八十センチを超える大柄な片山主任は坂田課長に詰められて小さくなっていたが、「おい、この子か?」と坂田課長から写真を見せられると、「あっ、この子です。間違いありません」と急に元気を取り戻したように、片山主任が身を乗り出してきた。
「そうか、そういうことか…変な奴に引っ掛かったな。おい、片山、副署長のところに行くぞ」
プロの集団ならではのこと、その一言で署内の空気は一変し、誰もが「安田哲也」をキーワードにして材料を集め始めた。
翌日、昨日のパトロール日誌を読んでいた坂田課長が、突然、「片山!これは何だ!」と大きな声をあげた。
声を荒げること等、めったにない課長の怒鳴り声に、同僚は心配して「おい、何かへまでもしたのか?」と肘で突いてきたが、生活安全課の片山主任は「いや、昨日は何もなかった筈ですが…」と首をかしげていた。
「あの、お呼びですか?」
「ここに書いた『大沢誠』って本当に安田哲也のいとこか?」
「ええ、本人がそう言ってましたから」
「お前、安田の過去の調書なんか調べたことがあるのか?」
「いや、そんなに詳しくは…」
「バカ野郎!あいつは家族どころか、親族からも見放されているんだ。そんな奴が、いとこと親しくするか?」
「は、はい…」
「それで名前は、学校は?」
「いえ、いとこと信じてしまったので…」
「何も聞いてないのか、しょうがねえな」
百八十センチを超える大柄な片山主任は坂田課長に詰められて小さくなっていたが、「おい、この子か?」と坂田課長から写真を見せられると、「あっ、この子です。間違いありません」と急に元気を取り戻したように、片山主任が身を乗り出してきた。
「そうか、そういうことか…変な奴に引っ掛かったな。おい、片山、副署長のところに行くぞ」
プロの集団ならではのこと、その一言で署内の空気は一変し、誰もが「安田哲也」をキーワードにして材料を集め始めた。