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独り暮らし女性連続失踪事件
第5章 潜入取材
≪尋問≫
午前十一時過ぎ、佐々木はどうせだからと食堂に入った。まだ時間が早く食事を取っている者はまばらで、テーブルはどこも空いていた。
ここにするかと腰を下ろしたのは施設全体が見渡せる窓際の席。ラーメンは市内のレストランより安いが、味は悪くない。メモを捲りながら、あれこれ考えていると、いつの間にか、目付きの鋭い男たちが取り囲んでいたた。
「あ、どうも、お世話になっています」
佐々木はとっさにそう挨拶したが、彼らはそれには答えず、前に座った年長の小柄な男が「見掛けない顔だけど、どこの人?」と聞いてきた。
「吉田ケンネルです」
「吉田ケンネルねえ…あそこの人は週末しか来ないけど、あんた、名前は?」
「あ、はい、佐々木です。先月入りまして、今日は勉強してこいと言われて、いろいろ見させて頂いています」
「ふ~ん、佐々木さんね。随分と熱心に訊きまわっているけど、きれいな手だね。ペットの世話したことあるの?」
「はい、新人なので、これから勉強です」
佐々木はへへっと笑ったが、男は「なるほど、これから勉強か。だから熱心に施設を回っているのか」と言うと、吸っていたタバコの煙をふぅーと顔に吹き付けてきた。
午前十一時過ぎ、佐々木はどうせだからと食堂に入った。まだ時間が早く食事を取っている者はまばらで、テーブルはどこも空いていた。
ここにするかと腰を下ろしたのは施設全体が見渡せる窓際の席。ラーメンは市内のレストランより安いが、味は悪くない。メモを捲りながら、あれこれ考えていると、いつの間にか、目付きの鋭い男たちが取り囲んでいたた。
「あ、どうも、お世話になっています」
佐々木はとっさにそう挨拶したが、彼らはそれには答えず、前に座った年長の小柄な男が「見掛けない顔だけど、どこの人?」と聞いてきた。
「吉田ケンネルです」
「吉田ケンネルねえ…あそこの人は週末しか来ないけど、あんた、名前は?」
「あ、はい、佐々木です。先月入りまして、今日は勉強してこいと言われて、いろいろ見させて頂いています」
「ふ~ん、佐々木さんね。随分と熱心に訊きまわっているけど、きれいな手だね。ペットの世話したことあるの?」
「はい、新人なので、これから勉強です」
佐々木はへへっと笑ったが、男は「なるほど、これから勉強か。だから熱心に施設を回っているのか」と言うと、吸っていたタバコの煙をふぅーと顔に吹き付けてきた。