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独り暮らし女性連続失踪事件
第6章 奪還
≪緊急電話≫
午後八時過ぎ、横田副署長がそろそろ署を出ようとした時、机の電話がけたたましく鳴った。
「横ちゃん、ヤバいんだ」
田村からだ。
「村ちゃん、どうした?」
「潜入取材に出掛けたウチの記者が戻らない。捕まってしまったようだ」
「何を探りに行ったんだ?」
「吉野桜だよ。怪しいところを見つけたんで、探りに行かせたが、戻らない。『午後5時迄に連絡なければ助けを請う』とメールを送ってきたが、もうこんな時間なのに、まだ何も言って来ない」
「場所はどこだ」
「例の事件があったあけぼの商店街から十キロほど山に入った大関ドッグキャンプだ」
「ちょっと待って、今、地図を見るから……あった、これか」
「横ちゃん、俺の考えている構図をメールで送るから支援して欲しい」
「分かった。この電話を担当な橋本刑事にも聞かせるが、いいね?」
「了解だ」
「じゃあ、ちょっと待ってくれ。今、呼ぶから」
そして、橋本刑事が部屋に入ってくると、横田副署長は電話をスピーカーフォンに切り替えた。
「村ちゃん、橋本君が来た。話しを続けるよ」
「了解した」
「村ちゃんはこれからどうするんだ?」
「俺はウチの記者を助けに行く」
「大関ドッグキャンプに入るのか?」
「そうだ」
「無理はするなよ」
「横ちゃん、吉野桜だよ。その点は分かっている。しかし、あいつには、俺のやり方でお礼させてもらうよ」
「田村さん、橋本です。私も直ぐに現地の捜査本部に行きますから、常時携帯電話はオンにしておいて下さい」
「いや、それは難しい。必要があれば、俺の方から連絡する。すまんな、橋本さん。じゃあ、横ちゃん、死に水は取ってくれよ」
「馬鹿なことを言うな。とにかく、無理するな」
「ははは、冗談だよ。しかし、背中の痛みが教えてくれているよ、“負けるな!”ってね。じゃあ、構図を送るからよろしく」
ここで田村からの電話は切れた。
午後八時過ぎ、横田副署長がそろそろ署を出ようとした時、机の電話がけたたましく鳴った。
「横ちゃん、ヤバいんだ」
田村からだ。
「村ちゃん、どうした?」
「潜入取材に出掛けたウチの記者が戻らない。捕まってしまったようだ」
「何を探りに行ったんだ?」
「吉野桜だよ。怪しいところを見つけたんで、探りに行かせたが、戻らない。『午後5時迄に連絡なければ助けを請う』とメールを送ってきたが、もうこんな時間なのに、まだ何も言って来ない」
「場所はどこだ」
「例の事件があったあけぼの商店街から十キロほど山に入った大関ドッグキャンプだ」
「ちょっと待って、今、地図を見るから……あった、これか」
「横ちゃん、俺の考えている構図をメールで送るから支援して欲しい」
「分かった。この電話を担当な橋本刑事にも聞かせるが、いいね?」
「了解だ」
「じゃあ、ちょっと待ってくれ。今、呼ぶから」
そして、橋本刑事が部屋に入ってくると、横田副署長は電話をスピーカーフォンに切り替えた。
「村ちゃん、橋本君が来た。話しを続けるよ」
「了解した」
「村ちゃんはこれからどうするんだ?」
「俺はウチの記者を助けに行く」
「大関ドッグキャンプに入るのか?」
「そうだ」
「無理はするなよ」
「横ちゃん、吉野桜だよ。その点は分かっている。しかし、あいつには、俺のやり方でお礼させてもらうよ」
「田村さん、橋本です。私も直ぐに現地の捜査本部に行きますから、常時携帯電話はオンにしておいて下さい」
「いや、それは難しい。必要があれば、俺の方から連絡する。すまんな、橋本さん。じゃあ、横ちゃん、死に水は取ってくれよ」
「馬鹿なことを言うな。とにかく、無理するな」
「ははは、冗談だよ。しかし、背中の痛みが教えてくれているよ、“負けるな!”ってね。じゃあ、構図を送るからよろしく」
ここで田村からの電話は切れた。