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独り暮らし女性連続失踪事件
第6章 奪還

「車に撥ね飛ばされたのに、顔の裂傷と腕と鎖骨を折ったくらいで、頭も内臓も損傷はない。やはり高校生、体が身軽ですね」

担当の医師が驚いていた。

「しかし、精神的にも大変なショックを受けていますから、事情聴取は、今晩のところ、簡単にして下さい。ご両親には今後の治療について説明しますから、私の部屋に来て下さい」

「いろいろご迷惑をお掛けしてすみません。よろしくお願いします」
「誠、皆さんにちゃんと話すのよ」

誠の両親はそう言って頭を下げると、医師の説明を聞くため病室を出ていった。

「ひ、ひっく、普通の生活がしたい、ひっく…」

包帯で痛々しい誠の両目から涙が溢れてきた。

「大沢、いいよ。ゆっくりでいいから、ほら、これで顔を拭こう」
根本が白いタオルで誠の涙を拭った。
「ありがとう…怖いんです。すごく怖いんです」
少し落ち着いてきた誠が、ぽつりぽつりと話し始めた。

「最初は飯田先生が襲われた時です」

誠の話は根本たちの想像を遥かに超えていた。

飯田先生が襲われたこと、その原因がペットの犬の交配トラブルであること、そして、襲われた現場に居合わせた誠にも脅しがあり、飯田先生と誠が拉致され、無理やり二人でセックスをさせられ、更に飯田先生は犬ともセックスをさせられたこと。

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