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第6章 奪還

≪救出！≫

ダーン！

扉を打ち破る激しい音と共に屈強な男たちがなだれ込んできた。

「吉野、そこまでだ」
「なんだお前たちは！」
「警察だ！話は全て外で聞いた。言いたいことがあれば、署で聞いてやるぞ」

田村が腕時計の蓋を開けて隠しマイクを取り出して見せた。

「吉野さん、あんたもお終いだな」
「田村、それがどうして証拠になるんだ」
「インターネットで全国中継してるんでね。悪党の吉野さん、聞いてる人たちに一言、お願いしますよ」
「クソ！」

一方、山川警察署でも署員の行動は速かった。

大下は直ぐに加藤を呼び出し、事件に関わった獣医、ブリーダー全員を洗いだし、片山は市内をうろつく安田哲也を発見、足首に巻き付けたナイフを見つけ、銃刀法違反の現行犯で逮捕。

吉野たちは連絡を受けた地元警察にその場で全員が逮捕された。

絵美が監禁されていた牧場の他、二ケ所の牧場でも監禁されていた女性が発見された。絵美を含めた六名の女性が全員が無事に保護された。

脅しに使われていた写真、ビデオは三咲芳子のスタジオから押収した。