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午睡の館 ~禁断の箱庭~
第2章 後編
ぼうとする頭で雅弥の顔を見上げていると、あそこに何かが当てられるのを感じた。
(え……まさか……?)
そう思った瞬間、櫻子の中に雅弥のモノがぐっと押し入ってきた。
「………っ!!」
聞こえるはずがないのに、櫻子にはそれがめりめりと自分の身体を突き破る様に感じ、悲鳴にならない悲鳴を上げる。
「きつすぎる……もっと力を抜け……」
眉間に皺を寄せた雅弥のこめかみには、小さな汗が浮かんでいた。
「いたい……いたいよぉ、お兄様……」
ぼろぼろと大きな瞳から涙を零す櫻子に、何一つ情けを掛けず、雅弥はまさに捻じ込むように、まだ小さな櫻子の秘所にすべて収めてしまった。
顎を逸らして必死に酸素を求めて喘ぐ櫻子の耳元に、雅弥が顔を寄せる。
その動き一つでもさらなる苦痛をもたらされた櫻子が呻く。
「……お前は私なんだ」
そう訳の分からない事を呟いた雅弥は、ずるりと己を半分ほど引き抜く。
これで解放されるのかと懇願するように見上げた櫻子を、雅弥は一切の愛情がそがれた様な怜悧な瞳で見下ろす。
「いけないお前を罰する」
「ごめんなさい、お兄様! ごめんなさい、許して……っ!!」
その後、痛みに泣き叫ぶ櫻子が失神し、雅弥が達するまで、兄は執拗に妹を抱き続けた。
気が付くと、櫻子は保健室にいた。
(……また、あの時の夢……見たんだ……)
櫻子は歯を噛み締めて、ぎゅっと目を瞑る。
寝汗を掻いたのだろう。
白色のカッターシャツが少し背にへばりつくようで、気持ちが悪い。
重く感じる頭を気だるげに起こし、辺りを確認する。
「あ、気付いたか、東儀?」
白い衝立の向こうから、渡邉が顔を覗かせる。
「……私……?」
「覚えていないか? 全校集会中に倒れたんだ」
「……先生が、ここに?」
「ああ、東儀、軽すぎるぞ。ちゃんと食事しているのか? 倒れた理由も貧血と寝不足らしいぞ」
渡邉はそう言うと、小さな子供にするように「めっ」っと言い聞かす。
心なしか櫻子の頬が赤みを取り戻す。
「すみません……最近ちょっと眠れなかったもので」
「そうか」
「あ……あの、先生。ずっとここに?」
恐る恐るそう聞いてきた櫻子に、渡邉は不思議そうに首を傾げる。
「ああ。保険医の先生が出張中だったからね。授業なら心配するな。まだ全校集会中だ」