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月曜日の秘めごと
第3章 パンケーキとレモネード

 お姉さんのことを馬鹿にしたとかではなく、ずぶ濡れでコンビニに飛び込んできた日のことを思い出したのだ。
 それを察したのか、ああ、と呟いた。
「あたしの家はさっきのコンビニから歩いて五分くらいなのよ。車より歩いた方が早いくらい」
「だからずぶ濡れだったんですね」
「そんな短時間にあんなどしゃ降りになるなんて、本当に災難だった」
 軽いため息。僕はつい笑ってしまう。
「そういえば、名前……」
「名前?」
「あなたの名前よ、なんだっけ?」
「ええ?」
 番号まで渡しておいて、こうやって会っておいて。
 今さらな質問すぎて、なおのことおかしかった。
「須崎蛍です」
 二度目の自己紹介。
「あたしは湊」
 彼女もにっこりと笑みを浮かべ、そう名乗った。
 下の名前だろう。
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