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月曜日の秘めごと
第4章 カボチャスープと罰ゲーム

「……それはいいけど」
 一瞬の間。意地悪く笑って彼女は言った。
「湊って呼んでくれたらあげる」
 不意打ちにびっくりした。
「…………嫌です」
「じゃああげない」
「いらないです」
 ムキになって言い返す。彼女の視線に目が止まる。僕の口許に注がれている気がして、心臓の鼓動が跳ねた。
 同時に思い出すのは、一週間前のキスだ。
「どうして呼んでくれないの?」
 すっと顔を近付けてくる。
 キスされる。柔らかい感触を期待して無意識に閉じてしまった目。だが唇に触れたのは固くて冷たい別のものだった。
「……?」
 びくっとして目を開く。それはスープを飲む時に使ったスプーンだった。スプーンの先で軽くつつかれて、こじ開けるようにして口腔に侵入してくる銀のスプーン。腹が舌の上を滑る。
「……何を想像したの?」
 吐息のような声。
 スプーンを僕の口から抜いて、彼女はこんな提案をする。
「ちょっとしたゲームをしよっか」
「ゲーム?」
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