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8月のヒメゴト ~僕と桃香の7日間~
第5章 5日目
防波堤に着いた。
切れ間を通って、反対側に回り込んだ。
階段状になったところにバスタオルを敷いて、ももちゃんを抱き上げ座らせた。
僕も隣に座った。
目の前には、遮る物のない、一面の海。
水平線が、どこまでも伸びていた。
「きれい…」
ももちゃんは、果てしなく広い海に見とれていた。
「来た甲斐があったよ」
僕もうれしかった。
静かだ。
ビーチにいる家族連れの声も、聞こえてこない。
防波堤に当たる波の音。時折、海鳥の声。それだけだ。
まるで、世界に僕達ふたりを残して、全ての人がいなくなったようだ。
そう、世界はふたりのものだ。
邪魔する者などいない。そんな事させない。
誰も僕達を引き裂けない。
絶対に。
切れ間を通って、反対側に回り込んだ。
階段状になったところにバスタオルを敷いて、ももちゃんを抱き上げ座らせた。
僕も隣に座った。
目の前には、遮る物のない、一面の海。
水平線が、どこまでも伸びていた。
「きれい…」
ももちゃんは、果てしなく広い海に見とれていた。
「来た甲斐があったよ」
僕もうれしかった。
静かだ。
ビーチにいる家族連れの声も、聞こえてこない。
防波堤に当たる波の音。時折、海鳥の声。それだけだ。
まるで、世界に僕達ふたりを残して、全ての人がいなくなったようだ。
そう、世界はふたりのものだ。
邪魔する者などいない。そんな事させない。
誰も僕達を引き裂けない。
絶対に。