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8月のヒメゴト ~僕と桃香の7日間~
第5章 5日目
ふたりは並んでベッドに座った。
ももちゃんが今まで真実を全て語っていない事は、わかっていた。だから、それほど驚きはしなかった。
それより、ももちゃんの様子を見ているのが辛かった。彼女は口を真一文字に結んで、じっと、うつむいていた。
これから話すべき事を、躊躇しているのだろう。
「わたしね、悪い子なの。本当はずっと黙ってるつもりだったから。でもやっぱり無理。お兄ちゃんには、ちゃんと言わなくちゃ」
そう言ったきり、ももちゃんは、黙りこんでしまった。その目が潤んでいた。
僕はしばらく待ってから、口を開いた。
「ありがとう。でもね、無理しなくていいよ。辛かったら話さなくていい。何があっても、ももちゃんを好きなことに変わりはないから」
「お兄ちゃんは優しいから、そんなこと言えるんだよ。これを聞いたら絶対、わたしをキライになるから」
ももちゃんは、顔を上げて言った。
「わたし、大橋桃香じゃないの。本当の名前は…早川桃香」
ももちゃんが今まで真実を全て語っていない事は、わかっていた。だから、それほど驚きはしなかった。
それより、ももちゃんの様子を見ているのが辛かった。彼女は口を真一文字に結んで、じっと、うつむいていた。
これから話すべき事を、躊躇しているのだろう。
「わたしね、悪い子なの。本当はずっと黙ってるつもりだったから。でもやっぱり無理。お兄ちゃんには、ちゃんと言わなくちゃ」
そう言ったきり、ももちゃんは、黙りこんでしまった。その目が潤んでいた。
僕はしばらく待ってから、口を開いた。
「ありがとう。でもね、無理しなくていいよ。辛かったら話さなくていい。何があっても、ももちゃんを好きなことに変わりはないから」
「お兄ちゃんは優しいから、そんなこと言えるんだよ。これを聞いたら絶対、わたしをキライになるから」
ももちゃんは、顔を上げて言った。
「わたし、大橋桃香じゃないの。本当の名前は…早川桃香」