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8月のヒメゴト ~僕と桃香の7日間~
第4章 4日目
ふたりを乗せた車は、県外にある海辺の町に向かっていた。

「だけど不思議だね。3日前の夕方まで、僕はももちゃんの存在も知らなかったんだよ。それが今、世界で一番大切な子になってるなんて」
ももちゃんは、うれしそうだった。
「わたしが、かわいいからだよ」
僕も笑った。
「それ自分で言うかなぁ」

「わたしはもっと前から、お兄ちゃんのこと知ってたけどね」
「そういえば、いつ知ったの?」
「ナイショ。あのね、女はミステリアスな方がミリョクあるんだよ」
「そんなのどこで聞いたんだよ…まあいいか」

そう、過去の事なんてどうでもいい。
僕の疑問は何一つ解明されないままだが、今が全てだ。
こんな素晴らしい少女と愛し合える幸せ。他には何も要らない。
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