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不倫のはて
第8章 交差する時
夫は 洗面所へ行った。
異常なほど 足音をドンドンと
踏み鳴らし 怒りを露にしていた。
洗面所で コポコポと
水が流れる音がする。
歯を磨き ガラガラとうがいを
しているようだった。
洗面所のドアが バタンと閉じ
階段を ドンドンと上がっていく。
「あー 2階に行った・・・・・。」
夫のことをこれほど苦痛に思っていたとは
自分で気がつかなかった。
夫に触られることに
身体がぞっとした・・・・
コージとのことで
夫から 離婚を言い出されると
思っていた。
夫は 離婚でなく
監禁のような生活を強いてきたのは
復讐だったのか・・・
今日のことも はっきり『無理』とわかった。
夫と二人で眠る
ベッドには もう行く気持ちには
なれなかった。
リビングで毛布にくるまり
一晩明かした。
外が白々と 明るくなるまで
一睡もできない。
新聞配達のオートバイが
一軒一軒回り
走って行く・・・・