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不倫のはて
第8章 交差する時


 翌日 修学旅行から美鈴が帰ってきた。
美鈴は 沖縄土産を
リビングテーブルに沢山広げ
楽しそうに 沖縄の話をしてる。
さすがに疲れた顔はしてるけど
にこにこかわいい笑顔で 
楽しそうに ケラケラ笑う。

 3人で囲む
夕食は 昨日とは
別の家庭かと思うほど
明るく 楽しい食卓だ。

 ただ一人夫はむっつりと
一言も話さず 夫の回りには
暗い空気が 漂う。

 食事が終わると
夫がいきなり 美鈴に

 「美鈴 ママと離婚する。
美鈴は 学校があるから 
ここから 通うだろ・・・」


 「あなた まだ何にも・・・・」

 「ふん お前が何か言えた義理か」

 「でも・・・・」

 「いいかっ お前は黙ってろ」

 「美鈴 ごめんね・・・・」

 「ママ どうして・・・・」

 「明日離婚届け貰ってくるから
俺のは 書いておく 
お前も書いて 出してくれ」

 「あなた・・・」

 美鈴は 泣きそうな顔で立ち上がり
自分の部屋へ 階段をかけ上がっていった。
夫は腕組みをして
何も言わず テレビをただ見ている。

 原因を作ったのは私だ。
それまで
私なりに一生懸命守ろうと
していた家庭が 音を立てて
崩れていく。


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