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不倫のはて
第8章 交差する時
それからの
1ヶ月は慌ただしく過ぎた。
私は あの家を出るため
一人でアパートを借り
引っ越しをした。
しばらく 家とアパートを
行ったり来たりして 荷物を運んだ。
身の回りの物を
整理していたが
慌ただしかった生活も
やっと 落ち着いてきた。
時間ができると
夫に携帯は処分されたままのことに
気づいた。
直樹とはサイトを通じてしか
連絡は取っていない。
退会してしまえば 私には
直樹と連絡する
術はなにもなかった。
もし 直樹に
会うことが許されるのなら会いたい。
そして あの日助けてもらった
お礼を きちんと伝えたい。
もう一度 きちんと
向き合いたい。
もう一度 奇跡を
神様に お願いしたい。
そう願わない日はなかった。
毎日毎日 時間をもてあまし
直樹に対する気持ちは
深まる一方だった。