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不倫のはて
第7章 危険人物


 急いで
自宅に着くと
まだ家には 灯りがついていない。
「良かった まだ誰も帰っていない。」
ホッとする・・・・
さっきのメールは
気になるが 見ている時間はない。

 キッチンに入ると
美鈴が帰ってきた。
「ママー ただいまー」
「あっおかえりなさい。
すぐ 夕飯にするわよ。」
「うん。お腹すいた。」

 ダイニングテーブルに
買ってきた夕食を並べ
美鈴と二人で 食べる。
美鈴はテレビを観ながら
ケラケラ屈託なく笑っている。
私ときたらやましくて
美鈴の顔すらまともに
見ることができない。



 そそくさキッチンに立ち
食器を洗っていた。
夫が帰ってきた。
夫から話し掛けられることなんて
何年もなかったのに
帰ってくるなり 
リビングから私に向かって

 「最近おかしいぞっ
何かあるのか。」

 いきなりで 持っていたお茶碗を
落としてしまった。動揺を隠しきれない。
「なっなっなんで。」

 夫は怒った顔で
「考え事して
ため息ばかりついてれば
誰だってわかるだろ。
何してるんだ。」

 「俺は仕事してるんだよ
お前は何もしてないじゃないか。」

 「金を稼いでんだよっ
お前は いったい何してんだよ
恥をかかせないでくれっ。」


 「なっなっ 何もしてないわよ。
あなたに 恥をかかせるなんてこと
するわけないじゃない。」
精一杯の虚勢を張って
言い返した。
しらを切り通す・・・
それしかない・・・・



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