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第8章 交差する時

　午後2:34

　水曜日の昼下がり道路は
空いていた。
思ったより　ホテルグリーンに
早く着いた。そのわりに
今日の駐車場は　車が多く
以前勤務していた化粧品会社の
社名の入った車が
何台か　止めてある。
空いてる場所を探し
車を止めた。


　車の中で　ルームミラーを
自分に向け　口紅を引き直した。
今日という日が
どんな日になるのか
ずっと前から　不安を感じていた。
怖かった････
最後のメールになるかもしれない。
直樹にメールを　送る。


　『　直樹･･　ごめんなさい
私は　自分の軽はずみな行動でコージという
男性と身体の関係をもってしまいました。
写真を撮られて　
脅されお金も取られています。
恐怖と苦痛で支配され
もう抗うことができないのです。
これから　コージと会います。
直樹と会えるような　
私でなくなってしまいました。
P.m.3:00に約束しています。
ホテルグリーン　客室205です。
さようなら
もう　会うこともないと思います。　　
ヒナ　』


　送信ボタンを押した。