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不倫のはて
第8章 交差する時
救急搬送されたヒナは
なんとか 一命を取り纏め
病室で 点滴を受けていた。
陽子の夫健介と美鈴が
慌てた様子で 駆け込んできた。
まだ意識のはっきりしない
陽子に向かって
「陽子 どうしたんだ
俺に恥を掻かすな
言ったはずだろ」
「ママ どうしたの
なんでこんなことに」
夫の健介はイライラしている。
美鈴が泣きながら しがみついている。
俺は 陽子・・・ヒナの側に立っていたが
席をはずそうと ドアに向かうと
陽子の夫健介が
「あなたは 陽子とどんな関係ですか」
「前の勤務先の 上司です。
坂井 直樹と申しますが」
「最近の陽子は 変だったんですよ。
あなたが 陽子の相手ですか。」
睨みつけるように 詰め寄ってきた。
「どうして あなたと
陽子は一緒だったんですか
おかしいでしょ!どれだけ恥を
かいたことかわかるでしょ」
陽子の容体をよそに
怒りをぶつけてくる。
側で見ていた 刑事さんが
間に入って 止めてくれた。
「まあまあ 落ち着いてください。
こちらの坂井さんのところに
陽子さんが 連絡を入れて
助かったんですから
命の恩人なんですよ。
お礼を言ってあげてくださいよ」
夫の健介が 憮然とした顔のまま
やっと頭を下げた。
「そうでしたか・・・・」
それでも
夫の健介は 直樹を疑って
いるようだった。
直樹を見る目に角があり
敵意を感じた。