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不倫のはて
第8章 交差する時
あれほど 夢に見た
直樹との再会は ベッドの上でとなった。
直樹は ゆっくり
私のベッドに近づき
心配そうな顔で
私の顔を覗いてきた。
「おはよう
だいぶ 顔色も良くなったね。」
何も聞かされていない私は
「どうして・・・・・」
目を丸くして
ただ 驚くだけだった。
嬉しくて
大粒の涙が瞳からぽろぽろこぽれ
直樹の顔が歪んで見えた。
そこへ いきなり
病室の扉が開いて
夫の健介が
着替えを持って来た。
直樹を睨みつけるようにして
「おはようございます。
昨日は お世話になりました。
今日は また朝早くから
どうしたんですか。」
言葉に角があって
嫌味たっぷりだ。
プライドの高い健介らしい。
直樹は
「おはようございます。
行き掛かり上 心配で顔を
見に来ました。 仕事なので失礼します。」
直樹は陽子・・・ヒナに目配せして出ていった。
夫の健介は
直樹がいなくなると
「あの男とは もう会うな。
わかったか 退院もすぐだ。
退院したら 家へ帰る
その後のことは 話し合う。
わかったか。」
「わかりました・・・・」
私の身体の心配など一切ない夫だ。
悪いのは私 何も言えない・・・・