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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第6章 会社の同僚「蛇塚さん」
あぁでもあれだな。
勢いで写真を撮るなんて言ってしまったものの、
本人がそれを許してくれるかどうか。
わたし的に三枚くらいは送ってあげたいけど。
…とはいえ、ここで疑問が一つ浮上する。
「…ねぇ蛇塚さん、いきなり変な質問なんだけど、私のことは疎ましく思わないの?
だってあんなに白馬くんのファンなのに…。」
そう、普通なら怒りをぶつけてきてもおかしくない場面。
それなのに、怒るどころか笑顔で受け入れてくれる彼女が不思議で仕方がない。
思い切って謎をぶつけてみると、
彼女は目をぱちくりとさせ、
あっけらかんとした表情で答えた。
「あら、黒哉様は別ベクトルですわ。アイドルの追っかけのようなものよ。
推しが幸せであることが私にとって一番の喜びなの。」
…まさかの答えに呆気にとられる。
女神か、女神なのかこの人は。
ファンの鏡すぎて泣けてくる。
「…そっか、ありがとう。」
「ふふっ、それはこちらのセリフですわ。不躾なお願いを聞いてくださって本当にありがとう。それではわたくし、お仕事を放置したままですので戻りますわね!」
「それでは!」と彼女が手を振りながら部屋を出ていく。
お仕事放置して他部署まで来てたんだ。
蛇塚さん流石すぎるよ。
…さて。
白馬くんの写真を撮るとなると、
まずは本人に事情を説明しなきゃだよね。
とりあえず彼に連絡してみよう。
私からも写真を撮らせてくれるよう頼み込めば、
多少は応じてくれるかも。
私はスマホで白馬くんにメッセージを送りながら、
彼女に続くようにその場をあとにした。