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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第6章 会社の同僚「蛇塚さん」
そうだよね、やっぱり失望しちゃうよね…。
「あの、蛇塚さ……」
彼女になにか言葉をかけようと
恐る恐る口を開いた、
その時。
────ガバッ!
「ユイさんお願いしますわ!!黒哉様のお宝写真を私に分けて頂けないかしら!?」
「…はい?!」
突如彼女に土下座をかまされた。
まさかの展開に頭が追いつかない。
「えっ、あの、蛇塚さん?!とりあえず土下座やめよ?!」
「わたくし黒哉様のお宝写真がどうしても必要なの!毎日の潤いに!潤いにっ!!」
ものすごい勢いで懇願される。
蛇塚さんて実はかなり変わった人なのかな。
毎日の潤いに白馬くんって相当だよ…。
必死に土下座をする彼女の前にしゃがみ込み、
とにかく身体を起こさせる。
「わかった。わかったから、まず起きよう蛇塚さん?」
「え?ええ…ごめんなさい。少々取り乱しましたわ…。」
彼女は巻かれた髪を耳にかけ、
私の手を借りながらおずおずと立ち上がる。
もしこれがフィクションの物語だったら。
この場合、蛇塚さんが彼と別れるよう全力で仕掛けてくるけど、これ違うね。
直感的に思う。
蛇塚さんただの良い人だ。(真顔)
「うんと、写真の前にまず聞きたいんだけど。どうして白馬くんと付き合ってるって分かったの?」
いくら白馬くんが会社で危ない行動を取ってるといっても、
あのポーカーフェイスに長けてる彼だ。
周りはまず気付かない。
それに蛇塚さんは部署が違うから
気付けるはずもないのに。
すると、彼女は「あぁ!」と頷き、
柔らかく微笑みながら告げた。
「前の土曜日に、お二人がお買い物してらっしゃる姿をお見かけしたの。距離感が違うもの。お付き合いなさってるってすぐに勘付いたわ!」
あ、あれか〜!
フリがゲームセンターに駆け込んで、
まさかの二人きりにさせられたやつだ。
そっか、蛇塚さんはそれを見てたんだ。
あの時はまだ付き合ってなかったけど。
「なるほど、分かった。でも私、写真持ってないから撮れ次第送る感じで大丈夫?あと出来れば、お付き合いしてることは内密で…。」
手を合わせながらそう言うと、彼女はパアッと目を輝かせた。
「ええもちろん!ありがとうユイさん、心から感謝しますわ!」
心底嬉しそうに笑う彼女。
可愛い。女の私でも惚れそう。