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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第6章 会社の同僚「蛇塚さん」
「んじゃ、そういうことで。お宝写真ならなんでもいいんすよね?」
「え?うん、たぶん。」
蛇塚さんから特に指定はなかったし、
とりあえずレアっぽいのなら何でも良さそう。
というより、
あれほど熱烈なファンならどの写真でも喜ぶよ。
「了解です。あと今夜先輩の家泊まっていい?」
「あぁうん、いいy…………んん?!」
待ってサラッと言われすぎてつい流しちゃったけど
今なんて言った…?!
思わず顔を青くして彼の方を見ると、
彼はしてやったりといった顔で私を眺めていた。
「あーあ。「うん」って言っちゃったね、先輩。」
この人…絶対最初からこれ狙ってた……。
デートのみで写真OKにしてくれるとか甘すぎるもん…。
いやでも今のはノーカンじゃない?
流しちゃった私も私だけど。
考えれば考えるほど自業自得な気がしてきたけど!
「だめだめ、だってうち狭いもん!ベッド一つしかないもん!」
「いいですよ別に。先輩抱きまくらにして寝るから。」
だめだこの人意地でも引き下がらない気だ。
しかもギュッてされながら眠ることに
謎の嬉しさを覚える私もどうかしてる…。
前なら絶対そんなことなかったのに……。
「まぁそんなに嫌なら無理にいいですよ、もれなく送る写真が俺の指になるだけなんで。お宝写真なら何でもいいんでしょ?」
ニヤニヤと口角を上げて言われる。
なるほどね、それでさっき
「何でもいいか」って質問したのか。用意周到だなもう。
「じゃ、じゃあせめて白馬くん家に泊まるのは?」
「それだと二度手間です。明日仕事あるんすよ?
俺ん家に泊まるなら、一度遠めの先輩ん家に向かって明日の準備して、職場に近い俺ん家に逆戻りするハメになります。」
うーん流石。
相変わらず意見を押し通すときの理由付けが上手。
確かに私の家に泊まるとなれば、
職場→白馬くん家に寄って準備してもらう→そのまま私の家
って感じで、行ったり来たりはないもんね。
しかもさっきの「写真が指になる」って言葉。
棒読みだったけど、
この条件飲まないと確実に指の写真で終わる。
いくらあの蛇塚さんでも
指の写真で日々は潤わないだろう。
あぁ、絶対に白馬くんは家に呼びたくなかったのに。
「分かったよ…今日だけね、今日だけ。」
こんなの、大人しく従うほかないじゃんか……。