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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第6章 会社の同僚「蛇塚さん」





「俺その当時、女の子を何人もヤリ捨てしてたんです。」





彼から決死の思いで打ち明けられた言葉。

すごくシリアスな雰囲気。
でも待って、みんな覚えてる?

私一番最初に彼の家にお泊まりした時、
寝る前に恋バナしたでしょ?

そのとき思ってたの。





〜その時のシーンを抜粋〜

「…まぁぶっちゃけて言いますと、好きな人ならいますよ。彼女はいません。」
「え、嘘?!」

まさかの好きな人がいるというピュアな回答。
てっきり女を取っ替え引っ替えしてると思ってたのに…
ごめん白馬くん。






実は既に取っ替え引っ替えのイメージあったんだよね…!
だから全く驚かないというか、なんというか。


「あの、俺、だから本当にクソみたいなヤツなんです。今更ごめんなさい…。」

でも、彼の自責の念がとても深い。
私がこのことを言っても罪悪感は消えないだろうし、
ましてや完全に気持ちを楽にすることも出来ないだろう。

うっすらと震える白馬くんの手を、
安心させるように両手で包む。


「…白馬くん、話してくれてありがとう。」


だから、私に出来ることはただ一つだけ。


「大丈夫だよ。過去がどうであれ、白馬くんであることに変わりないし。
その過去を受け入れた上で今のあなたが大好きだから。
…お願い、そんなに自分を軽蔑しないで…?」


心から思っていることを、
彼の気持ちに届くように告げること。

悔しいけど、私にはそれしか出来ないから。

そっと彼の方を向くと、
白馬くんは儚く驚いた表情で私を見ていた。

…最近なんとなく感じる。
彼はハリボテの自己肯定感を盾に、
弱い自分を守っているのではないかと。

そうでもしないと、
きっと今みたいに脆く崩れそうになってしまうから。


「…殴らない?」
「殴らないよ笑」

「…別れたくは?」
「微塵もならない。」


どちらも即答すると、
彼は心底安心したように大きく息を吐き出した。

「…先輩好き。大好き。こんなに女の子好きになるの初めて。いじめたくなるのも初めて。」

ん、んん?
最後だけなんか不穏だった気がしたけど、
嬉しいからスルーしとこ。

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