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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第8章 初デート
「別に、先輩と一緒ならどこでも。」
……うん、ちょっとドキッとしてしまった。
不意打ちすぎるよ、あと真顔で答えないで。
なんだか、どんどん顔が熱くなる。
彼の返答に戸惑いながらも、
白馬くんの服の裾を掴み、私もそっと口を開いた。
「…わ、私も、白馬くんと一緒ならどこでもいい…です…。」
恥ずかしさのあまり、顔を俯かせながら答えると、
彼が困ったように笑いながら私の頬を撫でた。
「じゃあ適当にブラブラする?デートっぽくねぇけど。」
確かに初デートで予定もなくブラブラするとか、
そんなカップルはまず少数だろう。
それでも、
お互いに気張らず自然体でいれる私達の関係なら、
それくらいの緩さが丁度いい気がして。
私は彼の提案にコクリと顔を頷かせた。
────「え、白馬くんって猫にもモテるんだ……。」
in保護猫カフェ。
たまたま看板が目に入ったので入ってみた。
飼い主に捨てられた猫たちで構成されていて、
人にあまり慣れてない子も多いらしいんだけど……
「俺昔から動物に好かれやすい体質なんだよね。」
彼の周りには何故か6、7匹の猫ちゃんたちが。
どういうことだ。
謎のフェロモンでも感じるのかな。
「ニャー。」
「ニャァッ」
彼が黒猫を持ち上げて鳴き声をあげてみると、
猫もそのまま答えるように鳴き声を返してくる。
ちなみに私が試してみても無反応でした。
うーん、好き嫌いがハッキリしてるなぁ。
「白馬くんって猫っぽいよね。」
「そうっすか?まぁ犬より猫派ではあるけど。」
彼はそう言いながら持ち上げていた黒猫を下ろし、
猫じゃらしでみんなと遊びだした。
右へ左へ。そしてジャンプ。
猫たちすごく楽しそう。見てるだけで和む。
「はい、先輩もやる?」
「え?」
彼が突然猫じゃらしを私の方に手渡してきた。
や、やってもノッてくれるかな。
白馬くんだからノリノリだった感がすごいんだけど。
恐る恐る猫じゃらしを動かしてみると、
ありがたいことに何匹かが食いついてくれた。
なんて優しい子達なの。
「ふふっ、可愛い。猫のいる生活って楽しそう。」
猫たちと戯れながらポロリと言葉をこぼす。
そんな私を、白馬くんがなにかを思案するように、
横目でじっと眺めていた。