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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第8章 初デート
────「あー、癒やされた〜。」
思う存分、癒やしをもらって店を出る。
なんで動物ってあんなに可愛いんだろう。
常にマイナスイオンを発してるよね。
私がひたすら癒やしを享受した一方、
白馬くんは服についた猫の毛を払ってる。
まぁあんなにベッタリくっつかれたらね。
そりゃそうなるよね。
「大丈夫?取れる?」
「大体は。アレルギーとかねぇし、少しくらいは残ってもいいか。」
すると、白馬くんがスッと私の方に手を差し伸べてきた。
訳もわからず彼の手を見つめて呆然としていると、
白馬くんが急かすように口を開く。
「ほら先輩、行くよ。」
こ、これは手を繋げということでよろしいのか??
もし違ったらどうしようという不安を抱えながら、
そっと彼の手に私の手を重ねる。
……が。
「ぶっぶー。惜しいけどハズレー。」
彼の意図していたものと違ったみたい。
なにこれ凄く恥ずかしいんだけど。
私が咄嗟に手を引っ込めようとすると、
それよりも早くギュッと握られてしまう。
そして、スルスルと器用に
私の指と彼の指を絡めてきた。
……え、これってまさか。
「恋人同士なので正解はこっちです。」
彼が意地悪く微笑む。
…恋人つなぎってやつだよねコレ。
あ、だめ、意識しすぎて手が熱くなってきた。
そして顔が沸騰する。
未だに彼のこういうところ慣れない。
片手で真っ赤な顔を覆う私のことなど、どこ吹く風。
白馬くんが飄々と私を連れて歩く。
街を歩けば人の視線が痛い。
彼がカッコよくて目が行っちゃうのはわかるんだけど、
その流れでこっちにまで視線が飛んでくる。
本人は慣れてるんだろうなぁ、全然動じてないや。
そんなこんなで歩いていくと、
一軒のお洒落なアクセサリー屋さんが目に飛び込んできた。
思わずピタリと足が止まる。
「ん、先輩どした?」
「…ねぇねぇ、ここ少し寄ってもいい?」
せっかく初めてのデートなんだし、
なにか記念にプレゼントしたいなって思った。
重たいかもしれないけど、
そう思っちゃったんだもん。
私の問いかけに、
彼は「もちろん」と快く了承してくれた。