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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第8章 初デート




「わぁ、お洒落なのがいっぱいある!」


お店の中に足を踏み入れると、
そこにはヴィンテージ調の空間が広がっていた。

やけにキラキラしたものより、
こういう感じの方が落ち着いてて私は好き。


さて。
白馬くんには何が似合うかな。

基本なんでも大丈夫な感じするけど、
大胆なやつより小物系がいいよね。
となると、ブレスレットとか?

チラリと彼を横目に見ると、
所々に痕の残った形のいい耳が目に入った。


「あぁそっか。白馬くんあんなにピアス開けてたんだし、そりゃ痕残るよね。」
「え?…ちょ…っ」


彼の耳に手を伸ばし、スルリとなぞると、
白馬くんがビクッと軽く肩を跳ねさせた。

…あれ、この反応もしかして。


「…ねぇ白馬くん、ひょっとして耳弱い?」


そう言いながらくすぐるように彼の耳をいじると、
彼は顔をうっすら赤くさせながら私の手を掴んだ。


「っ、だぁもう触らなくていいから!耳気にしないで!」


あ、やっぱり耳弱いんだ。
可愛い、なんかいいこと知っちゃったかも。

「ごめんごめん」と笑いながら謝ると、
白馬くんは若干ふてくされたように、
ぷいっと顔を横に向けた。


…うん、よし。彼にはイヤリングをあげよう。
ピアスだと会社的にアウトだしね。

弱点につけるアクセサリーを送るって、
なんか謎の優越感っていうか、うん。

…白馬くんのSっ気が移ってきたかな……。











彼自身が既にカッコいいので、
ど派手なやつはダメだと感じた結果。

購入したのはシンプルなシルバーのイヤリング。

白馬くんもなにか買うつもりなのか、
「先に外で待ってて」と言われた。



それで、今現在お店の外で待っているのですが……。





「君かわいいね?こんな時間になにしてんの?」



へ、変なのに絡まれた────!


こんな時間っていってもまだ午後四時ですけど!
健全すぎる時間帯ですけど!

確かに蛇塚さんのお陰で多少は可愛く着飾れてるよ?
とはいえナンパされるほどなのか?!


困惑する私を更に追い込むように、
チャラそうなお兄さん方はグイグイ絡んでくる。

「暇なら今からどっか行かない?」
「なんでも奢るし買ってあげるよ!」

誘い方が小学生かよ!
20代の女をそんな言葉で引っかけるのは無理があるよ!

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