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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第9章 白馬黒哉について


まずは形から入ろうと、ピアスをめちゃくちゃ開けた。
教育困難校だけあって、アクセサリーをつけても特別目立ちはしなかった。


────が。


「ねぇ黒哉ぁ、あたしとイイコトしない?」


外見でめちゃくちゃ目立った。
女がそれはもう寄ってくる寄ってくる。

お陰で凶悪なヤンキーにも目をつけられて、
なぜか喧嘩をふっかけられる毎日。

さすがの俺も20対1のときはヤバかったよね。
針を縫う怪我いっぱいしたし。
まぁ勝ったけど。


「……いいよ、イイコトしよっか。」


愛情に飢えていた俺は、求められることが嬉しかった。
求められるたび、
寂しいこの感覚を埋められるんじゃないかと期待して。



……けど、やっぱりそんなことはなかった。










────「あんっ、ん…、黒哉のおっきぃ……」


見た目に群がる女に求められても、
俺の心は全く満たされなかった。

むしろ、どんどん渇いていくだけ。


「ねっ、ちゅーして……?」

「は?ぜってぇやだ。」


相手の要求を無視すると、
ひどく軽蔑するような視線を送られた。

たぶん、相手は俺を彼氏かなんかだと思ってる。
そんな事ありえねぇのに。


「んぁっ…ねぇ、どうしてっ?あたし、ちゅーしたい…っ」

「めんどくせぇ…、ほら、これで我慢しろよ。」

「あぁんっ!」


黙らせるように相手の弱いところを強く突き上げれば、
満足げな甘い嬌声を漏らす。

キスなんてしたくない。愛撫なんて面倒くさい。

それでもバカな俺は身体を求められる度に応じた。
そこに少しでも、
俺自身を見てくれる子がいるんじゃないかと思って。


次第に俺は、
どこをどう触れば女の身体がすぐ濡れるのか
分かるようになった。

そこからはもはや単純作業だ。

手っ取り早く愛撫を済まして挿入。
そして、相手が見た目だけに釣られたのかを確認する。


もう何回それを繰り返したのか分からない。


それでも、俺自身を見て、
認めてくれる子は誰一人としていなかった。



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