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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第10章 甘い微熱と寂しさと
────山下サイド────
「あー……だるい……。」
熱なんていつぶりだろう。
さっき測ったら38度だったよ。
結構高くてビックリした。
……というか白馬くん、家に来る気なのかな。
「いい子で待てるか」って聞いてきたってことは
多分来るんだよね……?
移っちゃったらすごく困るけど、来てほしいな。
熱が出ると寂しくてしょうがない。
仕事終わるの18時だし、まだまだだな〜とか。
早く会って声聞きたいな〜とか。
私らしくもない、乙女な思考ばっかり。
前は一人で熱を治すのが当たり前だったのに、おかしいね。
「うぅ……、なんで熱出ると感傷的になるんだろ……。」
ベッドの上で布団に潜りながら、
猫のぬいぐるみを抱きしめる。
なんだか寂しさが紛れるような気がして。
……そういえば。
あのあと白馬くんどうしたのかな。
頭がボーッとしてよく分からなかったけど、
女の子の声が結構聞こえてた気がする。
あんな光景見ちゃったら、そりゃ噂もするか。
……白馬くんに申し訳ない。
あとで謝ろう。
熱にやられた頭でグルグルとそんなことを考える。
熱い。寂しい。眠い。だるい。会いたい。
目まぐるしい思考の中、
私は少しでも身体を休ませようと瞼を閉じた。
────いい子で待つって約束したしね。