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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第11章 神社の息子
私がポツリと声に出すと、
うささんが「おう」と相づちを打ってくれる。
「俺五枚も使わねぇからよ、白馬に売りつけようと思って。」
「なにそれ要らな。」
白馬くんが真顔で即答する。
その答えに、うささんが顎に手を当てて
思案するような表情を見せた。
「だって、このままおじゃんにすんのも勿体無ぇだろ?それなら金持ち坊っちゃんの白馬に売ったほうが効率的じゃねぇか。」
「いや知らねぇよ。」
またもや真顔でバッサリ切られる。
……なんか二人のやり取りが面白い。
すごく一方通行感。
すると、その会話を聞いていたフリが
何か閃いたように「オォ!」と手を叩いた。
その音に反応して全員がフリに目を向けると、
彼の口からなんとも奇抜な提案がだされた。
「それならこのメンバーで行きまショウ!そこに一人誘えば、ちょうど五人デショウ??ウンウン、我ながらgood idea!」
……このメンバーで、泊まりの旅行。
私は平気だけど、うささん大丈夫かな。
女性苦手なのに私がいたら大変だよね。
そう思って彼の方をチラリと見たんだけど。
「あー、まぁ別にそれでもいんじゃね?」
いいんだ〜。
凄くあっけらかんと答えたよ。
少し許されてる感があって嬉しい。
白馬くんも何気に乗り気なのかな。
これといって反論も、嫌な顔も見せてない。
「黒哉クンはどうデス?」
「……うん、先輩が大丈夫なら俺も別にいいよ。」
そう言いながら、白馬くんが横目で私に視線をやる。
……なるほど、
選択権は周りに流されやすい私に委ねるってことか。
無理させないように気遣ってくれてるのかな。
でも、この面子なら普通に楽しそうだし、
行ってみたいかも。
私の返事を待つフリに、私は笑顔で頷いた。
「私も全然大丈夫だよ。みんなで行こう。」
その答えに、パァッと目を輝かせるフリ。
可愛い、そんなに楽しみなんだね。
「じゃあ、あと一人は誰か適当に呼んでおいてクダサイ!僕アイス食べたくなってきたので買ってくるデス!」
「ちょ、フリやめろ!また迷子になられても困る!」
外に出かけようとしたフリの腕を白馬くんが咄嗟に掴む。
それでもフリはアイスを食べたいみたい。
子供のように、
しゅんとショボくれた表情になっちゃった。