この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第11章 神社の息子
白馬くんの言葉に、
うささんが必死に首を縦に振る。
「お前の女に手出すとか、そんな命捨てるマネしねぇよ……つか普通に女苦手だし……。」
「よし。」
うささんの反応を見て、
白馬くんが彼の肩に置いていた手を離した。
そのまま踵を返してフリの方に戻っていく。
「じゃあフリ行くぞ。」
「ハイデス〜。独占欲強いですね黒哉クンは。」
フリが面白そうに笑いながら、二人で部屋を出ていく。
パタリと閉められる襖。
……本格的にうささんと二人きりだ。
気まずい雰囲気に一人戸惑っていると、
まさかのうささんから私に話しかけてくれた。
「……アンタすげぇな。あんな白馬初めて見たわ。」
「え?」
彼の言葉にキョトンとする。
うささんは私には目を向けず、
視線を下に落として話を続けた。
……先程までと全く違う、少し弱々しい雰囲気。
「アイツ、何でも見透かしてきやがんだろ?だから、そのぶん人間不信っつうか、特に女に対してはかなり毛嫌ってたからよ。彼女がいるとかマジびびったわ。」
軽く笑いながら、淡々と言葉を紡いでいく彼。
確かに、白馬くんの高校時代を聞くと
そんな感じだったかも。
それでも愛情が欲しくて関わってた、みたいな。
すると、うささんは何か思い出したように、
ふと顔を上げて私の方を向いてきた。
「……そういやアンタ、男が怖いっつってたな。白馬の彼女なのにどうしてだ?」
ごもっともな質問。
男が怖いのに彼氏がいるとか、
ちょっと不思議な感じだもんね。
サラッと説明するだけでいいかな。
「えっと、実はわたしの元彼が暴力癖がある人で。自分じゃどうにも出来ないところを、白馬くんが助けてくれたんです。彼がいなかったら、きっと病院送りになってました。」
明るく笑いながら話すと、
「笑い事じゃねぇだろ」とツッコまれてしまった。
そして、彼は頬杖をつきながら、
なにか考え込むように視線を横に向ける。
「……なるほどな、アイツが女の為に、か。人って変わるもんなんだな。」
彼が自嘲するようにポツリと呟く。
……なんとなくだけど、
この人も白馬くんと同じ感じがする。
女性が苦手と言っているけど、
心の底から苦手というわけじゃなくて。
トラウマとかかな。
私とは普通に話せてるし、なにか複雑な理由がありそう。