この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第12章 兎と蛇



……そこで、わたくしは聞いてしまったの。










「……っ鬱陶しい蛇のことなんか好きなわけねぇだろ!!」










────兎が、怒鳴るようにそう話すところを。





いけない。
まずいことを聞いてしまった。

思考が停止しかけた頭を必死に回転させて、
ともかくわたくしはその場を去りました。


考えてみれば確かにそうね。

わたくしは昔から守られてばかりで、
あの人になにもしてあげられてなかった。


……自分でも思いましたわ。

わたくしって本当、鬱陶しい。



家に帰って冷静になると、
涙が勝手にポロポロこぼれてきて。

兎に今日の勉強を断らなきゃ、とか。
ごめんなさい、とか。

そんなことを思いながら、
一人、玄関で膝を抱えながら泣いていたところ。








「蛇、俺だ。来たぞ。」








────ノックと共に、玄関越しから兎の声が聞こえた。




「っ…開けないで!」

「はぁ?」



もっと良い言葉があったはずですのに。

彼と会いたくない一心で、
そんな言葉が口をついて出てしまった。
先ほど家に着いたばかりで、玄関の鍵が開いていたから。

兎は人の言うことを無視するタイプ。
彼が扉を開けてしまう前にと、
わたくしは咄嗟に立ち上がってドアノブを引っ張ったの。


でも、男性の腕力に叶うはずもなくて。



「っ、おい蛇、よく分かんねぇけどとりあえず話しさせろ!」

「いやっ!お願い、開けないで……っきゃ!」



兎が思い切り玄関を開けた拍子に、
わたくしが後ろにバランスを崩してしまったの。


「…っバカやろ……!」


倒れてしまう前に、
兎が咄嗟に腕を伸ばして
わたくしを支えようとしてくれた。

けれど、同時に彼も体勢を崩してしまって。
結局、二人一緒に玄関に倒れ込んだの。


わたくし運動神経は良かったから、
倒れながらも上手く受け身を取れたわ。

頭を打つとか、そんな怪我は一切なかったのだけれど。



────ムニッ


「……っ?!」



……彼の手が、たまたまわたくしの胸を掴んでしまう
アクシデントが発生したの。


更には彼に押し倒されてる状態。
頭がパニックになりながらも、
離れてもらおうと彼の顔を見上げたわ。

でも、そこにいたのはわたくしの知る彼ではなかった。


/269ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ