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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第12章 兎と蛇
そう言うと、白馬は納得したような表情で
俺の胸ぐらから手を離した。
「はじめからそう言えバーカ。」
白馬が強めに俺の頬をつねってくる。
痛ぇし正直うぜぇ。
バーサーカーもずっとニコニコしてやがる。
それも正直うぜぇ。
二人を睨む俺のことなどつゆ知らず。
白馬はつねる手を離し、平然とした顔で俺に告げた。
「まぁ俺の彼女も巻き込まれちゃってるし、協力してやらんでもない。お前一人に行かせたところで、彼女を見つけられる可能性は低いしな。」
少し言い方にイラッとするが、それもそうだ。
蛇の行き先なんて分かったもんじゃねぇ。
……山下を巻き込んだのも俺の責任だ。
「……わりぃ、ありがとな。」
「謝んなよ気色悪い。フリ、いけそうか?」
白馬の言葉に、
バーサーカーが「大丈夫デス!」と元気に答える。
いけそうか、って。
コイツら何する気だ?
怪訝な顔で二人のやり取りを見ていると、
それに気づいた白馬が呆れたように口を開いた。
「お前一応頭いいくせに、肝心なときポンコツだよな。」
「あ"?!」
さっきからコイツ地味にイラつくことしか言わねぇ。
俺が白馬にガン飛ばしていると、
白馬がバーサーカーのポケットからある物を取り出した。
「今日の出来事を思い出せ。
フリがいれば、一発で彼女の場所を割り出せんだろ。」
「……!それって……」
白馬が俺に見せたものは────────。