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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第3章 本物のヒーロー
「…黙れ…。黙れ黙れ黙れ黙れ────!!」
刹那、逆上した彼が思い切りナイフを振り上げた。
白馬くんは咄嗟に身をかわし、後ろに下がって距離を取る。
なんかやけに喧嘩慣れしてる…?
「なんだ、やっぱ図星なんじゃん。」
余裕そうに笑みを浮かべた白馬くんの言葉に、
平田くんが我を忘れて狂いだした。
鬼のような表情で、怒りのままにナイフを振るい出す。
「違う!!ぽっと出のテメェなんかに何がわかる!俺はユイを愛してる!ただアイツが俺に従わねぇから傷で教えてやってんだ!これは愛なんだよ!!」
平田くんのナイフが彼の顔目掛けて振るわれたその時。
瞬時に矛先の流れを読んだ白馬くんが左に顔を避け、ナイフを持つ腕を掴んだ。
相当な力なのか。
平田くんが腕を引こうとしてもビクともしない。
白馬くんはそのまま捕えた腕をぐるりと捻り、平田くんの身体をうつ伏せに押し倒した。
その衝撃にナイフが音を立てて転がる。
彼の背中に乗りながら片腕を拘束し、
白馬くんはゆっくりと付けていた仮面を外した。
その表情に、横目で彼を睨みつけていた平田くんの顔色が変わった。