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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第3章 本物のヒーロー
「人と駒を履き違えてんじゃねぇよ、ご都合人間が。」
低く、凍てつくような冷たい目と声。
離れたところにいる私でさえ、ゾッとするような空気感。
「お前は少しも彼女を愛してねぇよ。ただ自分に従順な駒が欲しかっただけのクソ野郎だ。
人を従わせるなら恐怖で支配すんのが一番楽だもんなぁ?」
背中側に掴まれた腕を更に強く引っ張られ、
平田くんが小さく呻き声を上げる。
「…違う、俺は何も悪くない…。ユイが、アイツが俺の言う事を聞かないから…。」
生気の失った声でボソボソと独り言のように呟く。
その目はただただ困惑に満ちていた。
「…救えねぇな。おいフリーデン!もう出て来ていいぞ。」
白馬くんの声を合図に、路地裏の入口からヒョイと顔を出す一人の男性。
「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!正義の味方の登場デスヨ〜!」
すごい、金髪で褐色肌の外国人さんだ。
外国人さんは座り込んでいる私を無視して、
足取り軽く彼らの方へ向かっていく。
よく見れば、警察官の格好をしていた。
彼は平田くんの前にしゃがみ込み
顔を覗き込みながら楽しそうにはしゃぐ。
「わぁスゴイ!アナタかなり精神を病まれた目してマスネ!ヤンデレ?鬱?もっと精神労らなきゃ駄目デスヨ〜!」
「フリ、いいから早く。」