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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第3章 本物のヒーロー



────あれから、私達も当事者ということで警察署へ向かい、事情を話した。
数年前からDV被害を受けていたこと。
酷い束縛があったこと。 

それから、今回の事の発端について。


約二時間ほどの事情聴取を受けたあと、私は白馬くんの車で自宅まで送り届けてもらうことになった。

助手席に乗りながら、光る街をぼんやり眺める。
いつの間に雨が止んだんだろう。
空には無数の星が煌めいていた。


「先輩生きてる〜?」
「生きてるー。」


微動だにしないまま、口だけを動かす。
なんだか、平田くんと別れられた実感が湧かない。


「…ねぇ、私待ち合わせ時刻しか教えなかったのに、どうして居場所がわかったの?」


場所については何も触れなかったはずなのに。
すると、白馬くんが後ろに置いてある
私のカバンを指差した。


「昼間あげたお守り。あれ開けてください。」
「えっ、中身見たらバチ当たるって前テレビで見たよ?」
 

躊躇する私に、「いいから。」と催促してくる。
神様に喧嘩売って大丈夫なのかな…。

カバンからお守りを取り出し、
恐る恐る紐を解いて開けてみる。
そこには、小さな黒いチップのようなものが入っていた。


「…なにこれ?」
「GPSです。」


「はい?!」と思わず素っ頓狂な声が漏れる。
GPSってあの、携帯とかに埋まってるやつだよね?


「あと、そのカバンの外ポケット。左側の方開けてください。」


えぇ、まだなにかあるんだ…。

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