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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第3章 本物のヒーロー
「で、なんスか聞きたいことって。」
私達は夕食を食べ終え(すんごい美味しかった)、
二人並んでソファに腰掛けていた。
…なんだか気恥ずかしくて、白馬くんの顔が見れない。
私はソファのクッションを抱きしめ、
視線を下に落としたまま彼に質問した。
「あ、あのね、変なこと聞くんだけど。私の首になんか赤い痕?ついてて。その、白馬くんなにか知らないかな〜って。」
「あ、でも知らなかったらいいの!そのまま忘れて!」と、慌てて付け加える。
なんてことないように聞くはずだったのに。
また思い切り挙動不審になっちゃった。
そんなことは気にも止めず、白馬くんは私の髪をそっと後ろに避け、首の痕を露わにする。
そして、そこを見つめながら、彼はゆっくりと口を開いた。
「…知ってますよ。これ付けたの俺ですから。」
────ドクンと心臓が跳ねる。
驚き顔を彼の方に向けると、そこには熱っぽい表情で私を見つめる白馬くんがいた。
「…どうして?」
「確実に暴力に発展するきっかけが欲しかったんです。もし先輩の彼氏がDVなら証拠押さえられるし、そうじゃなかったら事情を話して、謝りに行くつもりでした。」
彼が神妙な顔つきで話してる。
確かに、平田くんが逆上してナイフを振りかざしたのは、首の跡を見てからだ。
そして、そこに助けに入ってくれた白馬くん。
そっか、そこも全部計算のうちだったんだ。
「…白馬くんあの時、クマレンジャーの仮面被って助けに来てくれたでしょ?私それ見て、「あぁ、本当にヒーローっていたんだ」って思ったの。ブルーよりもずっとカッコいい、本物のヒーロー。」
「先輩…。」
そう、本当にカッコよかった。
私は抱きしめていたクッションを置き、
彼を見て優しく微笑む。
「でも、だからってさ────」
私は体をゆっくり彼と向き合わせ、
そして。
「寝込み襲うことないじゃんバカァァァァァァ!!!!」
胸ぐらに掴みかかり、思い切り前後に揺さぶった。