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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第4章 自覚




────帰宅。

なんとか今日も無事乗り切った。
一瞬素が出かけて危なかったけど。

そんな俺は今、ビールを飲みながらある人物に電話をかけている。
それは誰かというと。


『…え、あのー黒哉クン??こうも頻繁だと雪どころかハリケーン飛んでくるデス…。』


はい、お馴染みフリーデンくんですね。
俺に好きな人がいるという事情を知ってるのは
今のところコイツだけなので、少し相談してみることにした。


「…あー、フリ悪いな。実は聞きたいことがあってさ。」
『ふんふん、なんでショー?』


…くそ、すげぇ言いにくい。
正直恋愛相談?とかしたことねぇし。

でもかけちまった以上、言うしかない。


「あーっと、そのー、……友達。友達が好きな人に避けられてるらしいんだけど、それってどうしてだと思う?」

咄嗟に友達の話設定にすると、
フリーデンは少し考え込み、そして、言葉を放った。


『…ウーン。非常識なことして失望されたトカ?』
「グハッ」


心当たりあり過ぎてだいぶ心が抉られる。

確かに日頃から失望されそうなことしまくってるし、
昨日メチャクチャに抱いてしまったことで
とうとう愛想つかされた可能性も…。

一人顔を青くしていると、
フリーデンがフォローするように付け加えてきた。


『まぁでも分からないデスヨ。好きで避けちゃうこともあると思いマスシ。』
「…?好きで避ける?」
『ハイ。』


どういうことだ?
女性の恋愛行動に関しては読めなさ過ぎて全然分かんねぇ。

『…ウーン、なんというか。ただ恥ずかしくて避けるとか、気持ちの整理がつかなくて避けるとか。色々あるデス。
恋愛は人の行動心理を読むより、自分の気持ちをぶつけてナンボですヨ。』

『Simple is best!』とフリーデンが発音よく言う。

…確かに、俺なんだかんだ気持ちは伝えてない。
今の関係が地味に心地よくて、
情けねぇけど伝えるのが少し怖い。

でも、彼女が別の誰かに取られるのは絶対嫌だから。


────それならやることは一つだろ。


「…わかった、サンキューな。」
『いいえー。ちなみに僕の国では告白文化ないデス。恋愛の形なんて人それぞれデスシ、応援してマスヨ、黒哉クン!』


…またコイツは。


「はいはい、ありがとな。助かったよ。」
『ハイ!ではまた!』




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