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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第5章 サプライズ
────ピロピロン♫ピロピロン♫
「アレ、誰デショウ?」
フリのスマホから着信音が鳴り響いた。
取り出したスマホの画面を見るやいなや、彼の顔がサーッと青くなっていく。
相当怖い人なのかな。
急に正座しだした上、
すごく恐る恐る通話ボタン押してる。
「も、もしもし…先輩嫌デス……今から仕事とか絶対嫌デスヨ〜!!」
あ、なるほど。上司か。
警察官ってやっぱり大変なお仕事なんだ。
急に呼び出し喰らうなんて。
「ハイ…ハイデス……うう…今から向かうデス……では…。」
プツリと切られる電話。
彼はスマホを持つ腕をだらりと下ろし、
涙目でこちらを振り返ってきた。
「いっでぎマズッ……。」
「…うん、頑張って。いってらっしゃい。」
私にはそれしか言えない。
フリは涙をゴシゴシと拭い、
それでも泣きそうな顔で帰る支度を整える。
どうしよう、可哀想なほど落ち込んでるよ。
すると、ソファに座ってその様子を見ていた白馬くんが、
ふと彼に向けて口を開いた。
「…フリ、また遊びにおいで。」
────白馬くんが、デレた。
その言葉に彼は目を丸くするも、
みるみる表情が明るくなっていく。
パァァァッていう効果音が聞こえてきそう。
「ハイデス!またすぐ遊びに来ますヨ!」
「すぐじゃなくていいから。」
白馬くんは呆れた表情を見せるも、どこか嬉しそう。
フリも元通り元気になったみたい。
…なんだか、この二人が仲良しな理由が分かった気がする。
「じゃあ僕行って来るデス!…っと、そうだ、ユイサン!」
「はい?」
突然声をかけられる。
どうしたんだろ。
フリは私のそばに駆け寄り、
内緒話をするように耳打ちした。
「あなたなら大丈夫デス。自信をモッテ。」
「…っ!」
まさかの言葉にバッと顔を避けると、
フリがニコニコと屈託のない笑顔を向けていた。
もしかして、私が告白しようとしてること知ってたの…?
「デハデハ!黒哉クンもユイサンも、また今度〜!」
そう言いながら、パタンと部屋を出ていくフリ。
「類は友を呼ぶ」なんて、よく言ったものだ。
見透かす感じが白馬くんソックリ。