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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第5章 サプライズ
────って、ちょっと待って。
忘れてたけどフリがいなくなるってことはさ、
は、白馬くんと二人きりじゃん…!
嘘でしょどうしよう!
告白するならどっちにしろ二人きりになる必要があったけど、今その状況になっても少し困るよ!
心の準備出来てないもん!
…と思ったけど、私は考えた。
もう時間だから私も帰るって言って、
↓
帰り際に告白。
↓
そこでズバッとフッてもらって、
↓
そのまま家に帰っちゃう。
あっ、在り来りだけど結構このプラン良くない?!
これならフラれて気まずい雰囲気になっても、
すぐにその場から脱出できるよ。
よしそうしよう。
「あの、白馬く…」
そう思い、ソファに腰掛ける白馬くんの方を振り向くと。
「せーんぱい。こっちおいで?」
…彼はさぞ楽しげな笑みを浮かべて、私を手招いていた。
駄目だ、あの顔は絶対逃がしてくれない。
私のプランが脆く崩れ去っていく音がした。
とりあえず、言われるがまま白馬くんの隣に座る。
近い。いい匂いする。
そして辛い。色んな意味で辛い。
「ねぇ先輩、そんな緊張しないでよ。取って食おうってわけじゃないんだから。」
「う、うん、はい。そうですねっ。」
ぁぁぁぁ頭が回らない顔が熱い平常心どこに置いてきたの私…。
心臓うるさいし、白馬くんの顔見れないし。
ひたすら顔を俯かせていると、
彼がどこか悲しそうな声音でポツリと呟いた。
「…やっぱ、急に抱かれて嫌だったよね。」
────違うのに。
むしろ嬉しかったくらいなのに、
そんな誤解しないで欲しい。
「違うの白馬くん!だって私っ…」
否定したくて思わず顔を上げると、
先程までの悲しそうな声はどこへやら。
そこには、ニヤニヤと口角を上げて私を見下ろす白馬くんがいた。
思わずピシッと身体が硬直する。
「…ふぅん。そんな必死な顔するとか、もしかして先輩、嫌どころか嬉しかったの?」
か、カマかけられた────!
みるみる顔が赤くなっていく私の様子に、
白馬くんが楽しそうにクスクスと笑う。
もうダメ、恥ずかしすぎて死にそう…。
「ごめんごめん、全然こっち向いてくんないからさ。意地悪しちゃった。」
「だって……だって…………。」
好きなんだもん。