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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第5章 サプライズ
そんな簡単な言葉が、喉元に詰まって言えなくなる。
可愛くない反論はいくらでもできるのに、
私って意気地なしだ。
恥ずかしさと自己嫌悪から次第に涙目になっていく。
彼を見つめてひたすら黙りこくっていると、
不意に白馬くんが目を細め、私の頬を撫でてきた。
するりと顔の輪郭をなぞるように指を滑らせ、
そのまま唇に触れてくる。
くすぐったいような、もどかしいような。
そんな感覚に肩が震える。
「…ねぇ先輩、そんな顔されたら期待しちゃうんだけど。」
…熱っぽい、彼の表情。
あの夜と同じ雰囲気に、身体がゾクリと甘く疼く。
色っぽくて、甘くて、切なくて。
そんな空気にのまれてしまいそう。
ぽーっと彼を見つめていると、
大きな手で両頬を包まれ、
ゆっくりと優しく唇を重ねられた。
触れるだけの、可愛いキス。
突然のことなのに、驚くどころか
思考がどんどん溶かされていく。
…今なら、熱に浮かされて言えるかもしれない。
彼の服を掴み、意を決して口を開こうとした時。
「白馬くん、わたしっ…んん」
またキスを落とされてしまった。
それ以上は言わせまいと、言葉を絡めとるみたいに。
先程の触れるだけのキスとは違う、深くて甘いキス。
頬も、唇も、舌も。
触れてるところ全てが熱くて、
溶けてくっついてしまいそう。
ずっとこうしてたいくらい気持ちいい。
なんだか心がフワフワする。
彼の唇が名残惜しそうにゆっくりと離され、
仕上げのように私の唇を舌でなぞった。
思わずピクリと体が跳ねる。
「白馬く…」
「ね…、先輩、好き。俺の彼女になって…?」
────うそ。
突然のことに頭が追いつかない。
聞き間違い?ううん、そんなはずない。
ひたすら目を丸くしていると、
白馬くんは私をゆっくり押し倒し、ソファに寝かせた。
彼を見上げた状態で頬を包まれ、
目がそらせなくなる。
…逃さないって言われてるみたい。
「ほら、先輩。返事聞かせて?」
全身が熱い。心臓がうるさい。
「白馬くん…、わたしっ…」
「うん。」
…なんだか、泣きそうだ。
「わたしも、好き…。大好き…!」
────その瞬間。
熱っぽく微笑んだ白馬くんが
荒々しく私の唇を奪った。