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堕ちる人妻
第1章 堕ちる人妻
 獣の手が割れ目に滑り込んできました。人差し指と中指を器用に動かして、グチョグチョになっている膣口をまさぐってきます。


 私も獣の肉棒を掴みました。ズル剥けた包皮の真下を優しく握って、軽く前後に動かしてあげます。ニュル……という擬音が聞こえてきそうな感触を手に味わい、同時に弄られる自分の股間の気持ちよさに悶えました。


 獣の息づかいに私の吐息が同調して、互いの唇を喰らい合いました。


 肩に引っ掛かっていたブラヒモを取ってホックを外し、ブラを放りました。


 獣が、私をベッドに押し倒します。スプリングの効いたマットに弾かれて、私達はベッドの上で一度大きくバウンドしてから重なりました。


 私は下から肉棒を弄びつつ、獣と見つめ合いました。獣は触れ合った肌から伝わってくる私の体温を感じながら、手でしごかれる肉棒の快感に酔いしれています。


 さっきのお返しに、このままイカせてやろうかな。


 などと意地悪なことを考えつつ、ベッドの上方に片手を伸ばしました。そして手探りで有線放送やラジオを操作するパネルの横に置いてある、コンドームを掴みます。


 しかし、獣が私の手首を押さえつけてきました。


「要らねえよこんなの」


 獣は押さえつけた私の手首に力を込めて、持っているコンドームを手放させました。


「付けて」


「外に出すから大丈夫だ」


「いやよ。付けて」


 私は獣を上に載せたまま、割れ目を手で覆いました。


 すると獣は「いいから、大丈夫だから」とヘラヘラと笑みを浮かべてキスをしてこようとします。


 私はそれも拒み、顔を背けました。行きずりの関係とはいえ、最低限守ってもらわなければならない決まり事というものがあるのです。コンドームを付けないほうが気持ちがいいのは当たり前ですが、そのためのリスクが大きいのは誰もが知っていること。中に出さないから妊娠しないなんていう保証はありません。特に若い男は射精していなくても、体液に混ざって精子が洩れだすこともあるそうです。


 獣が唸りました。せっかく高ぶった気持ちを一蹴されて不機嫌顔といったところですが、私は決して譲らない視線を投げ掛けました。


「……っ。分かったよ」


 獣は露骨に舌打ちをして、一度私の上から退きました。そして私の手から離れて落ちたコンドームを拾い上げます。 
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