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近未来SFコメディ「日本チン没」
第2章  精子狩り
 その日は夕方まで誰も来なかった。
 夜になると、一之瀬めぐみが駆け込んで来た。

 「大変なの。沢田さんが警察に連行されたの」
 「エーッ。どうして? 何があったの」
 「祥太郎君のご両親が警察に訴えたの。誘拐犯として」
 「エーッ」 
 「じゃあ、僕が誘拐されたってこと」
 「そうよ。じき、警察が来るわ」
 
 二人がそんな話をしているとチャイムが鳴った。
 モニターに刑事や制服を着た警察官が写っていた。
 
 「大谷祥太郎君ですか」
 「はいそうです」
 「警察署まで来てください」
 「はい」
 「あなたは?」
 「一之瀬です」
 「ご同行願います」
 「はい」

 警察署に着くと祥太郎は事情聴取を受けた。

 「いつからあのマンションに監禁されたんですか?」
 「監禁・・・? 監禁なんてされてません」
 「ご両親から誘拐されてどこかに監禁されていると捜査願いが出されています」
 「すみません。僕が勝手に家出したので、両親が勘違いしたんだと思います」
 「でも、君はずっとあそこに閉じ込められていたんでしょう」
 「違いますよ。自由に外出できたし・・・」
 「しかし、君はあそこで不特定多数の女性の相手を強要されていたでしょう」
 「とんでもないです。たしかに、SEXしましたけど、合意の上です」
 「君は若いから騙されていることに気がつかないんです」
 「そんなことはありません。『レス会』の皆さんのこともすべて知っています」
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