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海猫たちの小夜曲
第4章 冷たい海 ~海色のグラスと小麦色の少女③~
「では、代替案ということで長期弁済にいたしましょう。毎月10万円を下限として、10年以内に1500万円を望海さんに弁済するということでいかがですか。期間を長期にする分は増額させていただくということで。もし、支払いが滞った場合は即座に強制執行ということになりますが。」
「……毎月10万も払えなんて! これから秀隆の進学で、お金がかかるっていうときに!」
 叔母はしつこくごねたが、もう弁護士さんは一顧だにしなかった。
「これが最大限の譲歩です。これが容れられない場合は、性的虐待の件も含めて、あらゆる法的手段を講じさせていただきます。いかがなさいますか?」
 最後通告ともとれる弁護士さんの言葉に、叔父は震える声で、わかった、と告げた。

「では、最後に、ただいま合意いただいた内容で、公正証書を作成しましょう。旦那様と奥様は印鑑証明を持って、月曜日の15時に隣町の公証役場にいらしてください。」
 弁護士さんは話をまとめようとしていたが、叔父はまた見苦しくごね始めた。
「いや、急に言われても、こっちにも仕事があるし……それに、そもそも公正証書なんて、大げさなことをしなくても……。」

「……お仕事? ずいぶんと悠長なことを仰いますね。あなた自身も含めて、ご家族が告訴されるかどうかの瀬戸際だというのに。小職には、これ以上、優先すべき予定があるとも思えませんがね。それに、ここまでのお話であなたのご家族は誰一人として信用できないことがよくわかりました。公正証書にでもしておかないと、まともに合意事項を履行するとは思えません。」
 弁護士さんは叔父の言葉にも怯まず、きっちり約束を飲ませてしまった。

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