この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
海猫たちの小夜曲
第5章 時間よ、止まれ ~海色のグラスと小麦色の少女④~
しばらく海岸線を走った後で、先生は少し休憩しようか、と言い、国道沿いにある道の駅に立ち寄った。
この長い海岸線は、まだ高速が開通していなくて、空港から八潮津までは曲がりくねった海岸線沿いの国道をゆっくり走っていくしかないのだ。
トイレを済ませた先生がどうぞ、と言って、あたしに缶のアイスティーをくれた。
あたしたちは車から出て、海の見える展望台で風に当たりながらお茶を飲む。
あたしは缶コーヒーを飲む先生の横顔を、いつものように想像のなかの先生とダブらせていた。
枕元で、いつも海色のグラスを見ながら想い浮かべていた優しげな顔と。
もう、あたしは、自分の気持ちが、はっきりと分かってしまっていた。
あたしは、どうしようもなく先生が好きなのだと。
そして、先生に抱かれたいのだと。
あたしは、ありったけの勇気を振り絞って、その言葉を口に出した。
「あたし……先生が……先生が、好きです。」
とうとう、言ってしまった。
もう、あたしは自分の気持ちを抑えることができなかった。
「……君の気持ちはとてもうれしいけれど、僕は、君の気持に答えることはできない。」
少しばかりの間をおいて、先生は、きっぱりと言った。
「あたしが高校生だから……ですか?」
「もちろん、それもある。だけど、それ以上に、僕はまともな恋愛ができない男なんだ。」
「……どういうことですか?」
あたしには先生の言う「まともな恋愛ができない」という言葉の意味が分からなかった。
「どうしても聞きたいのかい? かなり生々しい話になるけど。」
「……はい。」
複雑な顔をした先生の問いかけに、あたしは頷いた。
この長い海岸線は、まだ高速が開通していなくて、空港から八潮津までは曲がりくねった海岸線沿いの国道をゆっくり走っていくしかないのだ。
トイレを済ませた先生がどうぞ、と言って、あたしに缶のアイスティーをくれた。
あたしたちは車から出て、海の見える展望台で風に当たりながらお茶を飲む。
あたしは缶コーヒーを飲む先生の横顔を、いつものように想像のなかの先生とダブらせていた。
枕元で、いつも海色のグラスを見ながら想い浮かべていた優しげな顔と。
もう、あたしは、自分の気持ちが、はっきりと分かってしまっていた。
あたしは、どうしようもなく先生が好きなのだと。
そして、先生に抱かれたいのだと。
あたしは、ありったけの勇気を振り絞って、その言葉を口に出した。
「あたし……先生が……先生が、好きです。」
とうとう、言ってしまった。
もう、あたしは自分の気持ちを抑えることができなかった。
「……君の気持ちはとてもうれしいけれど、僕は、君の気持に答えることはできない。」
少しばかりの間をおいて、先生は、きっぱりと言った。
「あたしが高校生だから……ですか?」
「もちろん、それもある。だけど、それ以上に、僕はまともな恋愛ができない男なんだ。」
「……どういうことですか?」
あたしには先生の言う「まともな恋愛ができない」という言葉の意味が分からなかった。
「どうしても聞きたいのかい? かなり生々しい話になるけど。」
「……はい。」
複雑な顔をした先生の問いかけに、あたしは頷いた。