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海猫たちの小夜曲
第5章 時間よ、止まれ ~海色のグラスと小麦色の少女④~

「……僕が離婚していることは前に遥に聞いただろう。僕は、妻の浮気現場を見てしまったんだ。妻が知らない男の上で、嬌声を上げているところを。そのとき、僕がどうなったと思う?」
浮気を見たショックで女性不信に、ということなんだろうか。
だが、先生は、さらに言葉を続ける。
「僕は、離婚する何年か前から勃起不全だったんだ。EDというやつさ。だから、ずっと妻ともセックスしていなかった。だけど、妻の浮気現場を見たとき、僕は、何年かぶりに勃起したんだ。それもどうしようもないくらい激しく。」
それは、あまりに生々しい告白だった。
あたしは声も出せずに、先生の話に聞き入っていた。
「それで、わかったんだよ。僕は、自分の大切な人が、他人に抱かれることに興奮する変態なんだ、と。そういうのは「寝取られ」というらしい。だから、僕は、まともな恋愛なんかできないんだよ。」
「……そんな……でっ、でも、今はEDではないんでしょう?」
「ああ、もう、そっちは治っているよ。」
「それなら……」
「残念だけど、そういう問題じゃない。もう、僕は自分の性癖から逃れられないんだ。例えば、君と付き合ったとして、僕が君にあの男と寝てきてくれ、ってお願いしたら、君はOKできるのかい?」
「それは……」
あたしは思わず言葉に詰まった。
あたしには全く理解できない話だった。
なぜ、恋人として大切に思っている人を他人に抱かせるのだろう。
あたしにしたって、先生以外に抱かれたいとは思わない。
「……理解できない、って顔をしてるね。それでいいんだよ。僕が異常なだけで、君はいたって正常なんだから。」
完全に思考停止状態で固まってしまったあたしの肩に、先生が手を置いた。
浮気を見たショックで女性不信に、ということなんだろうか。
だが、先生は、さらに言葉を続ける。
「僕は、離婚する何年か前から勃起不全だったんだ。EDというやつさ。だから、ずっと妻ともセックスしていなかった。だけど、妻の浮気現場を見たとき、僕は、何年かぶりに勃起したんだ。それもどうしようもないくらい激しく。」
それは、あまりに生々しい告白だった。
あたしは声も出せずに、先生の話に聞き入っていた。
「それで、わかったんだよ。僕は、自分の大切な人が、他人に抱かれることに興奮する変態なんだ、と。そういうのは「寝取られ」というらしい。だから、僕は、まともな恋愛なんかできないんだよ。」
「……そんな……でっ、でも、今はEDではないんでしょう?」
「ああ、もう、そっちは治っているよ。」
「それなら……」
「残念だけど、そういう問題じゃない。もう、僕は自分の性癖から逃れられないんだ。例えば、君と付き合ったとして、僕が君にあの男と寝てきてくれ、ってお願いしたら、君はOKできるのかい?」
「それは……」
あたしは思わず言葉に詰まった。
あたしには全く理解できない話だった。
なぜ、恋人として大切に思っている人を他人に抱かせるのだろう。
あたしにしたって、先生以外に抱かれたいとは思わない。
「……理解できない、って顔をしてるね。それでいいんだよ。僕が異常なだけで、君はいたって正常なんだから。」
完全に思考停止状態で固まってしまったあたしの肩に、先生が手を置いた。

