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海猫たちの小夜曲
第5章 時間よ、止まれ ~海色のグラスと小麦色の少女④~
 文也はバーベキューの後で帰っていき、あたしと遥は先生の夕方の調査にお付き合いすることにした。

 この前と同じように、あたしは先生と海の中に、遥はボートの上でお留守番だ。
 あの日以来、体調不良で潜って低体温症、なんてことはもう起こしていない。
 ボートの上の遥も、夏休みに入ったらCカードを取って本格的にダイビングを始めるぞ、と息巻いているので、夏休み中には、2人一緒に先生と潜れるようになるだろう。
 先生と一緒に海にエントリーしながら、早くそうなればいいな、とあたしは思う。
 そうなれば、あたしと遥は先生を通じて、もっと親しくなれるだろう。


 夕方の調査が終わって、先生のログハウスに戻ってくると、あたしと遥は、昼のバーベキューの残り食材のエビやらホタテやらお肉やらを投入した贅沢な焼きそばを作って、無駄に豪華な夕食を楽しんでいた。

 夕方からポツリポツリときていた雨が、暗くなってから激しく降り出して、窓越しには風の鳴る音も聞こえてくる。
 テレビの天気予報が低気圧の接近を告げていて、今夜と明日はかなりの雨になるみたいだった。
 この荒れ模様だと、多分、明日の調査は無理だろう。

「ねえ、先生、今晩、泊めてもらってもいいよね? 結構、降ってるし、帰ったところで、わたしの家、相変わらず、お父さんいないし。」
 焼きそばを食べながら、遥が先生に聞いた。
 そういえば、遥の家は、両親が離婚していて、お父さんは結構な頻度で海外に行っていて不在がちなのだった。

「ね、望海も一緒に泊めてもらおうよ。明日の朝は多分、雨で調査は無理そうだよ。」
 期待を込めた声で、遥が誘ってきた。
 
 それはあたしにとって、ものすごくうれしい誘いだった。
 今回、落ち着き先が決まるまでの間、一時避難的に遥の家に泊めてもらってはいたけど、それ以外で、あたしは誰かの家でお泊りなんてしたことが無い。
 そういうことは、親のいる子たちが親の了承のもとでやることだと思っていた。
 あたしみたいな親のいない子が、そういう誘いに軽々しく乗っていると、泊めてくれる子の親に、いかにも慎みがないように見られるのが嫌だったのだ。
 だけど、先生と望海なら、そういう穿った見方はしないように思えた。

「先生が許してくれるんなら、ぜひ。」
 あたしの言葉に、先生は笑って頷いてくれた。

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