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海猫たちの小夜曲
第5章 時間よ、止まれ ~海色のグラスと小麦色の少女④~
 やっと水泳部の半強制練習から解放された土曜日、あたしは例によって、調査で先生と潜っていた。遥は今日も水泳部の練習に出ていたが、あたしとしては先生の調査に同行できる土日のバイトだけは何が何でも出たいのだった。
 
 それに、あたしは月曜日から金曜日までみっちりと練習させられて、先生に会うことも出来ず、淋しさを募らせていたところだった。

 滞りなく調査が終わると、わたしと先生はゆっくりと浮上してボートに戻った。
 ボートの上でゴーグルを外してボトルのスポーツドリンクを飲む先生の顔はいつものように優しくて、あたしは改めて、先生との初めての夜のことを想い出していた。

「今週はえらく忙しいみたいだったけど、今日は大丈夫なのかい?」
「えへへ、ようやく部活が落ち着いたので。それに……先生に会いたかったです。」

 本当は、毎日でもバイトに顔を出して先生と会い、夜は、そのまま先生に抱かれたかったけど、そういうわけにもいかない。だけど、今はボートの上とはいえ、先生と二人きりで、あたしは妙にエッチな気分になってしまっていた。

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